お日待ち

 お日待ち(おひまち)の行事が9月になって始まりました。
 ”お日を待つ”あるいは、”お日のまつり”が語源らしいです。いわゆる、太陽を拝む祭りですね。
 日本は農耕が発達し、お米を食料、主食としてきました。五穀の代表でもあるお米を育んでくれる太陽。天候を司る太陽。太陽の恵みに感謝し、今年もまた平和でお米も豊作でありますようにと祈る訳です。
 昨今は、そのお米もちっとも有り難く思われていないフシがありますが、依然として私たちの主食です。

 昔は、日の入り頃からお日待ちの行事が始まり、夜を徹して、お看経をし、眠気覚ましにお餅をついたり、世間話をしたり、またお看経をしたり…。そして、静かに東の空が明るくなってくると、皆でその日の出を拝んでお日待ちの行事を締めくくっていたようです。徹夜でやっていたなんて、なんとも昔の人はたくましいですね。



 今頃は、日が暮れる頃に講社の檀信徒善男善女の人々が、宿となったお宅に集まり、皆で読経唱題をして、お寺さんの説法というかお話を聞いて親睦会。一度解散して、翌朝に再び集まってお看経をしてお開きという感じです。



 何かにつけ、地域の結びつきが希薄になってきている現代、こういった行事の場が連帯感を認めあったり、情報交換の席になったりしています。ご近所でも「やあ、久し振りだなぁ」なんてのが挨拶になってますからね。昔と比べると、行事のあり方も変わってくるんでしょうか。
 お看経をして、心の静けさを取り戻し、また今日も頑張って欲しいものです。
 行事がお開きになる時は、お供えした御神酒を皆で飲み干し、お餅や菓子類を分けて持ち帰ります。
 写真は、某講社での模様を撮影したものです。
(日常記す)