面壁(めんぺき)九年の達磨さん

 「達磨さん」、フルネームでで菩提達磨(ボーディダルマ)は、もとインドの王子さま。
 長い修行と旅の末、中国にやってきて禅を伝えました。
 この達磨さん、九年もの間、ジーッとだまって壁に向かい(面壁)、坐禅をしたといいます。
 中国では、多いことをしばしば「九」の数で表しますので、実際に九年かどうかは分かりませんが、ともかく、ずいぶん長い間、面壁の坐禅をしたそうで、そのために手足が腐ってなくなった    などという伝説もうまれました。
 手足のない達磨さんは、ここに由来するものです。
 ところで、達磨さんがそんなに長い間、ひたすら黙って坐り続けたのは、修行熱心だったというだけでなく、中国語がサッパリ分からなかったからだという説もあります。
 サッパリ分かりませんから、黙って坐るしかなかったというワケです。
 それがまた、中国人の目には大人物とうつった、とまぁ、ちょっと皮肉な見方ではありますが、案外、そういう事だったのかもしれません。