慈恩大師窺基(じおんだいしきき)は、唐の時代の中国のお坊さん。 有名な玄奘の弟子として、ぼう大で貴重な論書を著わしましたが、弟子入りに際しての面白いエピソードが伝えられています。 窺基は、もと大富豪の息子で、いつも大きな車に沢山の美女やぜいたくな食べ物を乗せて豪遊していました。 玄奘は、この男を町で見かけて、たちどころに、そのたぐいまれな才能と素質を看破(かんぱ)、ぜひ出家して自分の弟子になって欲しいと頼みました。 ところが、窺基は、女や食い物などについて今まで通りの生活ができるならと、トンデモない要求を出しました。 が、玄奘は、その要求をあっさりと受け入れたと云います。 果たして、玄奘の目に狂いはなく、窺基は、ともかく大変な物知りで、記憶力バツグン、しかも論理に強く、「コンピューター付きブルドーザー」さながらに、玄奘のまさに右腕として大活躍、破格のスカウトは大成功をおさめました。 |