お経本は大切なものである。
お経本がないと読経できないから~ではない。
いや、お経本を持って来るのを忘れて読経できないのは困る事に違いはないけど。
私たち凡夫の目には、単なる文字、単なる文にしか見えない。
日蓮聖人は『目では単なる文字にしか見えないが、信心の心で見れば一文字一文字が佛様に見える』
『一文字一文字が佛様なのだ』という意味のことを仰っておられる。
これを『一一文文是真佛』というのですが、煩悩で燃える目には印刷された単なる文字、筆で書かれたタダの字にしか見えないというのです。
姿勢を正し、両手で丁寧にお経本を持つ。
あるいは、経机の上で用いる。
一時的に置く時も、布を敷いた上とか扇子をあて、畳の上にベタっと置くことは避けるようにします。
そのような作法を通して、少しずつ修行を積んで行きたいと思います。
寺報208号から転載