よくかんで食べると、いい事いっぱい

 歯の健康は、歯みがきで虫歯を作らなければOK。
 でも本当の意味での「歯の健康」は、まずよ〜くかむ事から始まります。
 毎日の食事をよくかんで食べると歯だけでなく身体や心にもいい事がいっぱいあります。
 食べ物をよくかむと口の中には唾液がいっぱい。
 だ液は、虫歯の原因になるバイキンが口の中で増えるのを抑えてくれます。
 それは唾液に含まれている酵素の働きです。
 だから、よく噛む子には虫歯が少ない。
 また、だ液には毒を消す力もあって発ガン物質までも抑える。
 よく噛むという事は、口や身体の中がきれいになるという事でもあるのです。
 人差し指を曲げる運動を繰り返すと、大脳全体で十%の血液が増えて脳の働きが活発になります。
 なんと、噛む事はその人差し指の運動を繰り返すのと同じくらい脳の働きをよくしてくれるのです。
 また、食事で五感をフルに使う事も大事。
 おいしい食事をよく見て味わって香りをかいで、箸をもって手を使う、こんな簡単な事も脳の刺激なんです。
 永久歯がまっすぐに出てくるには、乳歯と乳歯のすき間がある大きなアゴが必要です。
 よく噛む子はアゴが発達し、永久歯がきれいに並びます。
 でも乳歯にすき間がない子が段々ふえています。
 よくかんで永久歯の歯並びをよくしましょう。
 歯並びがいいと歯垢がつきにくいので、虫歯や歯槽膿漏になりにくいのです。
 よく噛む力のある子は踏張る力がつき、運動能力が育ちます。
 一流のスポーツ選手に歯の悪い人はいないと言われています。
 よくかんで食べる子供の特徴がいくつか挙げられます。
・何事にも積極的
・みんなと遊べる
・規則が守れる
・背筋がきちんと伸びている
・外遊びが多い
 これは幼稚園児を対象とした調査結果ですが、食べる意欲は生きる意欲につながっているようです。
 子供が、おいしく楽しく食べる事は、子供の身体と心を育てます。
 何度もかめて、だ液がよく出る食べ物を与えるようにします。
 例えば、サンドイッチを作ったら、パンの耳はつけておきます。
 食パンの白い部分は、口の中に入れてなめていても飲み込めます。
 パンの耳は、よくかんでだ液とまざらないと飲み込めません。
 これが歯の健康にいいのです。
 スーパーへ行ったら、食べ物をよく見て頭の中で食べてみて下さい。
 いりこご飯や蒸かしイモは、よく噛んで食べるでしょう。
 そんな食べ物を与えましょう。
 そして、歯の健康に一番大切なのは、みんなそろって楽しい話をしながら〃食べる〃ことです。