仏教経典は沢山あるが、その中の般若経は〃空〃を説いている。 この論理は、「A=A A=非A」という事であろうと思います。 般若心経では、これを「色即是空」とか「五蘊皆空」と表現しています。 「存在」、それは「空」であると………。 あらゆる存在は空っぽであるが故に、存在である───という訳です。 なかなか難しいけれど、これが分かれば無限の智慧を得ることが出来るのです。 最近、宇宙物理学という科学の領分の研究が進んできて、私たちの知っている宇宙は、今からおよそ200億年ぐらい前に起きた〃ビッグバン〃と名付けられた大爆発によって出来たと考えるようになってきました。 今の宇宙空間が膨張しつつある事が観測されているようです。 蛇足ながら、その宇宙論も最近は怪しくなってきていますが…。 宇宙が膨張しているとして…。 だからと言って「風船玉」のようなものと思われても困りますが………。 この「空間」というのは、四次元空間───つまり私たちの見ることが出来る三次元空間に〃時間〃の座標軸を加えたものを考えます。 そこでは、宇宙空間の外側というのは、やはりその宇宙空間の内側にある───という甚だ素人には分かり難いことが起きます。 そうしますと、ビッグバンの瞬間───宇宙がまだピンポン玉ぐらいの時を考えてみて下さい。 その外側には、何もなかった───空間すらなかったのです。 有とか無ではなく、空だったのです。 この空の中に、ピンポン玉の宇宙が浮かんでいる訳で、空から見ればピンポン玉の内側も空と同じという事が言えると思います。 ピンポン玉の中には、宇宙を構成する物質、すなわち色(物質・存在)がビッシリ詰まっていたのですから、「色=空」という事は科学的事実であろうと思われます。 色を学ぶことは、空を学ぶことにつながるのではないか。 しかも、ビックバンは一つの現象であります。 現象には、それぞれ「初期条件」と言われるものがあって、〈その現象がどういう経過を辿って終末に至るかというプログラム〉その初期条件によって決められてしまいます。 |