信仰の火

お釈迦さまは、
 「人間として生を受けるのは難しく、しかも何時死ぬかも分からないのに、今こうして生きていられるのは大変に有り難いことである」
 と述べられています。
 生きとし生けるものの中で、人間として生を受けるのは、まことに稀なことです。
 大自然の法則をもととし、父母を縁として生まれ、無限の過去と無限の未来をはらみつつ、ありとあらゆるものに支えられて、今この一瞬を生かされているこの不思議さ。
 まことに有り難いことだと思います。
 私どもは人間として、この日本国に生まれたことを当然のことのように思っていますが、実はそうではないのです。
 無尽の因縁による尊い存在なんです。
 そのような事を教えてくれるのが、宗教です。
 寒い冬には誰しも暖房を求めます。
 まして、かたくなな冷たい心には暖かい信心の火が必要でしょう。
 それには子供の頃から、家庭で信の火を燃やし続けなければなりません。
 「今の若い者は………」と言う前に、まず自分自身の信仰の火がちゃんと燃えているか、と問わなければならないと思うのです。