福という字の左側は示である。 お祭りの台の形からできた文字という説もあるが、実はもう一説ある。 示の二は、天のこと、下の小は、天から差す太陽の光、月の光、星の光を表している。 中国では、昔、天を大切にした。 天命だとか天子とかいうものが重んじられた。 北京には、帝王が天帝を祀ったという大きな天壇の建造物がある。 天からパーッと差す光が尊ばれたワケである。 さて、右の一口田であるが、一口は高いの一部分で高々という意味である。 下の田は、もともと口が四つ重なった字で、積み重ねると隙間がなくなった田となる。 福という字は。私たちに降り注ぐ光を高く積み重ねる事を表している。 一体どこに積み重ねるかというと、自分の心にである。 頂いている、頂いていると積み重ねているうちに、何か滲み出てくるものがある。 ほのぼのとした温かさである。 まさしくコレが福である。 初詣に行って、お寺やお宮で熊手を買ってきて掻き集めてみても、自分の心に積み重ねるという作業をしなかったら、福は到底えられない。 掻き集める道具が熊手であるところがいい。 全部、自分だけにというのではなく、人様のためにも隙間からもれるという仕組みになっているからである。 時代がドンドン変わっていきます。 変わらないものを大切にしつつ、変わっていくものを勉強しなければ。 |