地球環境を考える

 地球を守る運動が盛んになっています。
 熱帯林の伐採・地球の温暖化・オゾン層の破壊から地球を守ろう───実は、人類を守ろうと━━━は善い事だと思います。
 でも、これを一時的な現象で終わらせてしまうとしたら、ちょっと問題です。
 ブームというのは必ず衰退がやって来ますが、これは継続的に続けられるべき運動なのです。
 また、この運動も、ただ単に〃地球を守ろう〃というスローガンだけの繰り返しだったら問題は解決しない。
 地球が危ない、環境が危ない、危ないといくら声高に叫んでも、それだけでは何の解決にもなりません。
 やはり、解決のための方法論と実行が必要でしょう。
 昆虫は、身近な所に棲息しているのに、意外に知られていない。
 しかも、かなりの山奥でも昆虫の生態が、随分と変わってきた。
 種類自体はそれほど変わらないが、絶対量がかなり少なくなってきている。
 子供の頃には、どこででも見られた昆虫が、めったに見る機会がない。
 その原因は、環境破壊にある。
 昆虫の住める場所が少なくなってきている。
 また、ある種の昆虫だけが大発生するという現象もある。
 昆虫の世界もバランスが崩れてきているのだ。
 例えば、最近は小川がめっきり少なくなった。
 田んぼの中を流れていた小川が、何時の間にかコンクリートの水路になっていたりする。
 それによって、今まで小川に生活していた昆虫にもいろいろな影響が出てくる。
 今まで小川という世界で均衡が保たれていた生命の世界が一変してしまうのだ。
 そこに住んでいたある種の昆虫は死滅してしまい、ある種は移動する。
 そうした昆虫の移動や死滅は、その場所だけでなく、移動先のバランスにまで影響を与える。
 でも、水路を作るぐらいで、他の生命にそんなに影響を及ぼすなどと気付く人は少ない。
 生態系というのは繋がっています。
 だから、一種・一ヶ所だけの破壊というのは存在しない。
 一つの破壊は、必ず他のどこかに影響を及ぼしてしまう。
 そして、自然というのは一度その方向に進みだすと、回復するのが非常に困難なのです。