三毒をなくそう

 法華経に「衆苦充満して甚だ怖畏すべし、常に生・老・病・死の憂患あり」と書かれてあります。
 この苦は、四苦八苦とも言って私たちの日常語になっています。
 その病苦について申し述べましょう。
 人生、何一つ病気をせずに達者で暮らしている人は大勢います。
 それらの人々は、肉体的損傷のみを病いと思って、ともすれば心の病いを見逃しています。
 しかし、釈尊が言われた病いには〃心の病い〃も含まれており、これを貪・瞋・癡の三毒と称しています。
 貪とは、欲が深く、足ることを知らない事。
 瞋とは、自分のみが正しいとする心の悩み。
 癡とは、物事を判断できず心が闇の事。
 この世のすべての悪は、私たちの心の内にあるこの三毒によって引き起こるもので、これを断ち切ることが人々を幸福にする根本なのです。