伝説によりますと、お釈迦さんがさとりを開いて仏さまになる以前に、すでに六人の仏さまがいました。
お釈迦さんを加えて、これを「過去七仏」といいますが、この仏さまたちは、共通の戒めの詩(漢訳で「偈(げ)」をもっていたと云われます。
その詩の文句は必ずしも同じではありませんが、カーシヤパ[迦葉仏(かしょうぶつ)]が唱えたという詩が最も有名で、これが一般に「七仏通戒偈」として、仏教徒に珍重されてきました。
その文句は、
諸悪莫作(しょあくまくさ)
衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)
自浄其意(じじょうごい)
是諸仏教(ぜしょぶっきょう)
〃もろもろの悪を行うことなく、もろもろの善を行い、心を浄らかにしなさい。
これが、もろもろの佛たちの教えです〃
といいます。
ややこしくて難しい教義も、せんじ詰めれば、この四つの句におさめられるという事です。