法事の案内を頂き、いざ当日に当家の玄関先や上がり口でどのような挨拶を交わせば良いのでしょうか?
当家との間柄や日頃の付き合い方によって一様ではないと思いますが、心得としては「法事・追善の席にお招き下さった事への御礼と、ご先祖様への供養の気持ち」を短く分かり易い言葉で表現するのが良いと思います。
例えば『法事にお招き下さいまして有り難うございます。供養のお線香を上げさせて頂きます』『本日は〇〇様の追善にお招き下さいまして有り難うございます』等々。
ただし、冒頭の言葉は普通に話しても途中から聞き取れるか取れないかのか細い声で早口にゴニョゴニョと「~ございます」と会釈するのが習わしのようです。
ご法事を催せるのは普通に喜ばしい意味もあるのですが、そこはやはり大事な家族を亡くしたという不幸が横たわっており、そこに配慮して気持ちだけ伝えるようです。
余談ですが(祭壇前に進んで)持参した御供え物は、差し上げるものなので、あちら向きに置くのが正しいです。
お線香を上げる際、お上人用の座布団が敷いてあれば、横にずらして用いないようにします。
気にするお上人も居ますので憶えておくと良いかもしれません。
あ、拙僧は気にしませんので。
座布団は足で踏まないのが礼儀となります。
座る際は座布団の前に立ち、膝を置き、腰を下ろし、前にいざって座ります。
立つ時はその逆です。
かくも作法は細かい所まで気にすれば気になるものです。
粗相のないように、少々ご参考まで。
寺報213号から転載