Q&Aコーナー

法華経が生まれた歴史的な背景を教えて下さい。

 お釈迦さまが亡くなられて五百年ぐらいたつと、インドの仏教界に新しい考え方が生まれます。
 その流れは、それまでの出家中心・戒律至上主義を批判して小乗(小さな乗り物で自分だけしか救えない教え)と名付け、自らを大乗(大きな乗り物で多数の人を救う教え)と称して新しい仏教運動を展開したのです。
 この大乗は、出家者ばかりでなく、多くの民衆とともに展開していったもので、法華経を奉じた人々もこの大乗グループの人だと言われています。
 法華経の原典は、梵語の写本が発見された地域によって、一.ネパール本、二.ギルギット(カシミール)本、三.西域本の三種に分類されています。
 これらの多くは、古代インドで紙のかわりに用いていたターラ(多羅)の木の葉に鉄筆で書かれています。
 広大なインドからヒマラヤ山脈を越えて、西域(中央アジア)に到る雄大な法華経の世界はシルクロードへのロマンと重なるのです。