Q&Aコーナー

法華経は、いつごろ日本に伝来し、どのようにして定着していったのですか。

 日本へは、577年、百済国から200余巻の経典が朝廷に献納され、その中に法華経が含まれていたと伝えられています。
 定着の基礎を作ったのはあの聖徳太子(574〜622)です。
 太子は仏教精神をもとに政治を行い、研究にも力を尽くしました。
 法華・勝鬘・維摩の三経を選んで講義し、この三経の注釈書を作りました。
 これを三経義疏といいます。
 平安時代に入ると、桓武天皇の後援をあおいで中国の唐に留学し、天台学を修めた伝教大師最澄(767〜822)があげられます。
 比叡山延暦寺を開いた人として有名ですね。
 法華経を中心にして、日本にはじめて大乗の教えを高らかに宣言した人です。
 日蓮聖人もこの比叡山で、法華経の核心をつかみとられたのです。
 また平安時代も下ると、貴族たちの文芸作品の中に、法華経の影響がみとめられるといいます。
 また、平家の安泰を願った写経の多くは、法華経によっています。