Q&Aコーナー

日蓮聖人はなぜ数多くの経典の中から法華経を選ばれ、それに一生を捧げられたのですか。

 日蓮聖人が活躍された鎌倉時代は、政変や天変地異の続く混乱した世の中でした。
 仏教者として、日蓮聖人の心は、苦しみにあえぐ人々をどうしたら救えるかというこの一点だけでした。
 お釈迦さまの教えがこの日本に伝えられているのに、人心が乱れ、自然も社会も混乱している。
 これは、本当の教えが広まっていないからだと結論され、真の教えを把握するため勉学されました。
 そして、ついに「いかなる人をも仏の道に引き入れることを約束されたお経−法華経」によるほかはないと結論されました。

 法華経には「この経を広めようとすると、命も危ぶまれる程の大難が押し寄せてくる」と予言しています。
 事実、日蓮聖人にとって、その通りになりました。
 法華経の行者は、数々の大難によってきたえられ、難の背後には、経典が約束する加護があったのです。
 「南無妙法蓮華経」のお題目は、日蓮聖人が命をかけて釈尊のお心に従われようとされた信仰の中心といえます。
 お題目の響きは700数十年間、絶えることなく続いてきました。