仏教語散歩

合掌

 両手の掌を合わせて行うインドの挨拶である。
 仏教の礼拝の形式となった。
 インドでは右手を神聖・清浄の手と考え、左手を不浄の手と考える慣習があり、たとえば右手で食物をとるが左手は使わない。
 左手は排せつ物の後始末用などに使ったりする。
 こうして、右の掌と左の掌を合わせるという行為は、聖と俗が一致するシンボル・行為となった。
 右の掌は仏であり、左の掌は祈っている自分を象徴し合掌することで、仏と自分が一体化するという解釈がなされたのである。
 したがって仏教は神道と違い、拍手を打ったりしない。
 せっかく仏と通いあっている自己を引き離すことになるからだと説明される。