不受不施日蓮講門宗読本【3】

おかげとは…

 何か玉のような宝物を一つ一つ戴くというようなものではない。
 運命を開いて行く教育をうけるのであって、次第におかげを身につけて完成するものである。
 其の教育は法華経によって教育される。
 故に修行なくして、おかげは得られない。
 人間がアッと生まれてくる時の苦痛、ウンと死ぬる時の苦痛は同じことであって、法華経信心からいえば法難で生まれ、法難で突破するわけで、例へば竹のフシからフシであって、また其の次のフシへと生死死生を重ねる。
 そして十人十色に生まれて来ると阿含教にはこれを業と所産と説かれてあって、万物すべて此のコースを持っている。
 よい業もあり、よくない業もあって十人十色に織出されている無限の運命模様であるが、これを教化指導して、おかげを身に付けつつ私共の生命に不滅のあかりをつけて行くのが法華経である。
 かくいう考え方で信念の基礎を作り、生きてる事実を解決し責任を遂行する誓願行となって生き甲斐のある人生を形成する。