日蓮講門宗読本から 日蓮講門宗宗史

法難の理由

第11回

 日本は皇室中心の大家族主義で民族発展したのだが、中途武家政治の変調となったので志士競うて「勤王」の旗上げとなった。
 何れの世でもあるが賄賂が盛んに横行し社会秩序が乱れた。
 殊に泰平に慣れて宗教僧が布施を強要して安逸を貪る、という時代に、不受不施の法度を振りかざし、幕府の専制に抗して勤王護国は一王一仏の法華経精神であると叫び社会の浄化、人間の正常化に敢然として不受不施の信心道を邁進したからである。
 今も主権在民、民主政治となって民族育成の家族主義も変わって居るから法華経精神から言えば変調である。
 「自由スト、共産独裁、ころんでは土」となって居り、どっちへころんでも土をねぶらねばならぬ複雑な思想におそわれている。
 此時に当って特に不受不施主義の信念に立って不正不義を排し人倫の常道に立つべきですべて思想の混乱は我々に中心がないからである。
 昔流は折伏といって真向からぶちまくる筆法も用いたが、今は知識が進んで居るから、理解と協力に訴へ、説得、納得の線に沿い、信心の強化を折伏として建設面へと邁進する重大なる使命は日蓮講門宗にある。