雑談雑話(2)

先入観

 先入観とは、あらかじめ知っていて、作り上げた観念という意味である。
 ここで云う観念とは、ある対象を表示する心理内容ということであるが、哲学によると外界は、「私たちが自己の観念で認めたものである」とする認識論にある。

 難しい説明であるが、私たちが五官を通じて知る世界はすべて、私たちの心の働きがあればこそであるということだ。
 ところで、私たちが見聞きした最初の情報が、私たちの心のモノサシになることが多い。
 今までの知識や体験が、判断基準になる。
 偏見という言葉があるが、これなども先入観の産物であろう。

 「心の主」となった先入観は、なかなかその席を他に譲ろうとはしない。
 時には、今まで培ってきた心のモノサシを捨て、違った角度からものごとを見てみるのも、自分の視野を広めることになるだろう。
2007.4.17記