不受不施日蓮講門宗読本【5】

本尊とは

 迹門の形の上からは十界互具の実相、本門においては久遠の生命、この二つを組織立てたものが本尊であって唯一の信仰の対象とする。
 法華経の、倶出霊鷲山、の文は本尊まんだらの儀相であり、如来秘密神通之力、は本尊の生命とする明文である。
 この本尊は不浄の心をいみる、故に不受不施の本尊でなくてはいけない、不染世間法如蓮華在水の明文あるによる。
 ヨソの宗門では死んだら天にのぼるとか西方極楽へ行くとかいろいろに指方するが本宗では御本尊のほかにどこへも行かない本仏の座にあって久修行所得の安心がつづくのである。
 我らの合掌供養によって倦まざる訓練がつづくのである。