精霊棚の飾り方

 お盆の季節になると各家庭では仏壇をきれいに清掃し、ご先祖さまの精霊をお迎えする準備をされる事と思います。
 精霊棚の飾り方は、地方の風習や家の伝統を大切にしている事もあり、全国共通の飾り方というものはありません。
 しかし、こうした風習さえ徐々に失われつつある今日、ご先祖さまを敬う心だけは後世に伝えたいものです。
 そこで代表的な精霊棚の飾り方を紹介します。
 仏壇に奉安されているお位牌を前に出し、過去帳や仏具類を移して供養の為のスペースを確保します。
 仏壇の前に小さなテーブルまたは台に厚い板を置き、棚とします。
 仏壇の前に棚を設ける場所がない時は、仏壇内で飾っても宜しいのです。
 荒筵(あらむしろ)か真菰(まこも)を敷き、奥からご先祖さまの位牌、過去帳、お膳、線香立てを安置します。
 その左右に供え物、お花、ロウソク(灯明)などを配します。
 また、牛に見立てた茄子(なす)、馬に見立てた胡瓜(きゅうり)などを置き、仏壇周囲を笹やホウズキを下げたしめ縄で飾ります。
 新盆(四十九日忌を過ぎた仏さま)の家庭では、さらに好物だったものを供えると良いでしょう。
 精霊棚の奥正面には、必ずおマンダラ御本尊を掲げて下さい。
 要は、ご先祖さまを暖かく迎える心が大切です。
 一年で、ご先祖さまと魂の交流を深め、お盆を意義あるものとするために真心込めて
お題目を唱え、報恩感謝の気持ちを捧げましょう。